さらな日記 

某水色サッカーチームを偏愛する、元気過ぎる乳がん患者。乳がんサバイバーを目指す、乳がん「備忘録」兼徒然日記 「さらな」とは、サンスクリット語の「安らぎ・癒し」と言う意味

免疫療法と補完代替医療-2-

先回書き漏らしたことがありました
それは人の細胞が1日でどれくらい入れ替わるのか?と言うコト。
おおよそ「ステーキ1枚分の面積」だそうです。
「ステーキ1枚分」と一言でいっても、ヒレステーキとサーロインステーキでは、面積は違いますがステーキハウスの平均的価格帯の部位でお考え頂ければ、大きく違うことはないと思います(多分・・・)。

そしてもう一つは「獲得免疫=リンパ球」を指している、と言う点です。
言い換えると「リンパ球療法」がベースとなって、今話題となっている「ペプチドワクチン療法」などへと発展している、と言うコトなのです。

さてその「ペプチドワクチン療法」などを含む「第3世代の免疫療法」について。
リンパ球の中には「免疫を担当する細胞」様々な細胞があり、「リンパ球内の細胞」に着目した治療法が「第3世代」というコトになります。

「樹状細胞」。
実はこの「樹状細胞」そのものは、自然免疫の中に「未成熟」の状態で存在している細胞。
それが「抗原」を写し取るコトで「成熟」し、「抗原のパターン」を認識(と言う表現が良いのだろか?)、リンパ球療法などで活躍したT細胞へ指令を出し、がんを攻撃する。
いわゆる「リンパ球内における『司令官」」的役割をしている「樹状細胞」の特性を活かした、治療法。
新しい治療の一つなので、様々な問題がある
①患者さんの血液から「リンパ球」を採取する為の、操作が煩雑
②(当然ですが)標準治療ではありませんから、とても高額
③現在の治療成績は20%前後と、余り高くない
④メカニズム(運用方法)に改善の余地がある
「高額」という視点で言うなら、米国の例として転移進行性の前立腺癌の患者さんで930万円の費用が掛かっている

「がんワクチン療法」
「樹状細胞」が未成熟状態から成熟状態になる為には「抗原=がん細胞」と反応させなくてはならない。
「樹状細胞」からすれば、「軍事作戦」を練ること=「がん細胞の情報を写し取る(大野先生は「パルス」という言葉で説明)」コトが最重要になってくる。
その軍事作戦の情報源となる「がん抗原」を「ワクチン」として、皮下注射としてわずかに接種し「抗体」を作る、と言う考えかた。(この基本的な考えは、様々な予防ワクチンと同じですね・・・多分)。
問題なのは、「情報源」となる「抗原」の選び方。
「抗原」が合っていないと、ワクチンを接種しても機能せず、と言う状況になりかねない。
その見極めがまだまだ、臨床研究の段階であると言うコト。
そして、現在対象となっている患者さんの多くが、末期の患者さんだということ。
その為、既に患者さん自身が持っているはずの「免疫システム」が破綻している可能性がある
そして、インフルエンザワクチンもそうですが、ワクチンを接種したからと言っていきなり効果があるモノではありません。
インフルエンザワクチンの場合、接種後3週間くらいの時間が必要。
「免疫システム」が既に破綻している末期の患者さんに、じっくり・じんわり効いてくるワクチンでは臨床試験で良い結果が残せない。
などの問題がある。
とはいうものの、医師が中心となって行っている臨床試験(治験)が8件ほどあり、製薬企業主体の臨床試験も複数進んでいる。
ただ、上述した通り治験対象となる患者さんが末期のがん患者さんである為に、現時点では「効果が認められた」と言う報告はない

ちなみに「ペプチド=アミノ酸=タンパク質」のことです。
「タンパク質>ペプチド>アミノ酸」で、アミノ酸が複数個集まったモノが「ペプチド」。
「がん抗原=タンパク質」なので、「ペプチド」という大きさにする必要があるのです。
タンパク質の状態では大きすぎて、効果が薄いのでは?と、お話を伺いながら思った次第(私の理解です)。

「抗体療法」
実は、既に「抗体療法」という治療は標準治療となっているがん種もあります。
その代表的なモノが「乳がん」の「ハーセプチン」。
拙ブログに長い間来て下さっている方はご存じだと思いますが、「ハーセプチン」という薬は「分子標的薬」と呼ばれています。
ただし「分子標的薬」といっても、①低分子化合物(「グリベック」や「イレッサ」、「タルセバ」、「ネクサバール」など)と②抗体医薬品の2種類がある。
その中でも②の抗体医薬品の代表的な薬が「ハーセプチン」。
「抗体医薬品」というのは、がんの中に含まれているある特定のタンパク質にくっつこうとするがん細胞に先回りをし、塞いでしまうお薬です。
「樹状細胞療法」は、司令官である「成熟樹状細胞」が免疫細胞に命令をし、がん細胞を総力戦でやっつけると言う方法。
「がんワクチン療法」は、「ごく僅かな抗原を体に取り込むコトによって、抗体を作りがんをやっつける」という方法。
それに対して、「抗体療法」というのは、ピンポイントでがんをやっつけると言う方法。
現在では8種類の抗体医薬品が承認されている。

既に薬ができているのなら、新しい薬の開発は簡単!と思われるかも知れませんが、実は「シャーレでの実験→マウスでの実験」と進んでも、人への治験に進むコトは簡単なことではありません。
と言うのもマウスと人とでは、抗体が違うため。
生物として、全く違う物ですから当然と言えば当然ナノですが、マウスで成功したからといって、人で成功するかどうかはわからないのです(最近では「ヒト抗体」を持つマウスができるようですが)。

問題点としては、まだまだ高額な薬であると言う点。単剤よりも「がんペプチドワクチン」殿併用で効果が高いと期待されているが、元々「がんペプチドワクチン療法」が高額な治療である為に、治療費が高額になってしまう。
米国の例として、進行性メラノーマ(皮膚がんの一種)の治療では、1コースの治療(通常がんの治療は、複数コース行われる)治療費が、1,200万円かかった、と言う報告もあり

これらの治療法は、決してプラスの面だけではありません。
一番のマイナス面は「費用が高額」である、と言うこと。
分子標的薬の一つ「アバスチン(がん細胞が勝手に作ってしまう血管を壊す薬)」は、高額であるが故にイギリスでは「治療薬として推奨しない」という勧告が出ている。
今の日本のように年々国が負担する医療費がふくれあがり続けると、イギリスのように「高額な治療」に関しては、臨床試験の結果とは別の理由で「標準治療」から、外される可能性があるのでは?と言う大野先生の指摘。
また「リンパ球療法」に関しては、「自己細胞の活性化」と言う視点から「再生医療」の一つとして考える、と言う動きもある、と言うお話でした。

次は、がん患者さんであれば一度は経験する?「補完代替医療」について。
大野智先生のブログと大野先生がコラムを掲載している朝日新聞の「アピタル・これって効きますか?」のリンクを貼っておきます。
そちらもごらん下さい

大野智先生のブログ「がんの補完代替医療を科学する!」
朝日デジタル・アピタル「これって効きますか?」
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プロフィール

のんチャン

Author:のんチャン
某水色サッカーチームサポで、元重度鉄欠乏性貧血患者
2010年3月乳がんの手術。現在普通に生活。
乳がん「備忘録」兼サッカーやお料理などを気ままに不定期更新。
本業は、密かに「地域密着系スポーツ・マーケティングプランナー」を目指す、売れないマーケティングプランナー
母屋ブログはこちら↓
http://blog.goo.ne.jp/happy-kernel-0297

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リンクを貼りましたので、そちらからアクセスをして下さい。
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そのための参考サイトです。

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「施設・読影医師・放射線技師」の3条件が揃うことが、重要です。
それぞれのリストをリンクしました。ぜひ参考にしてください。


国立がんセンター精神腫瘍学グループでは、患者さん向け「質問促進パンフレット」等を用意しています。
下記リンクよりアクセスをお願いします。
PDFファイルですが、是非、重要な面談の時の質問などにご活用ください。

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