さらな日記 

某水色サッカーチームを偏愛する、元気過ぎる乳がん患者。乳がんサバイバーを目指す、乳がん「備忘録」兼徒然日記 「さらな」とは、サンスクリット語の「安らぎ・癒し」と言う意味

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名古屋大学へお出かけ

昨日冷たい雨が降る中、名古屋大学へ行ってきました。
名古屋大学で行われた、「オープンレクチャー」へのお出かけでした。
名古屋大学の先生が、30名程の一般市民の前で講義をする、という内容。
私が参加したのは、「血管再生医療について」という講座。
もちろん、講座は無料。
金曜日の午後、このような講座に出かけられるというのは、一重に売れないマーケターだからなんですが「様々な知識の蓄積が無くては、マーケターとしての発想力が低下する」と、自分に言い訳と納得をさせてのお出かけとなりました。

「再生医療」といっても、「アンチエイジング」の話ではありません。
「血管再生医療」というタイトルどおり、血管の再生というテーマ。
この「血管再生」って、どんなメリットがあるの?と、思われると思います。
わたしも、そんな興味から受講することにしたんです。
端的に言えば、「生活習慣病」などによって引き起こされる、様々な血管のトラブルを治療するお話でした。
その中でも「糖尿病」により、血管の機能低下により細胞が壊死してしまうような場合、その血管を再生させるコトにとても有効だということでした。

その話がなぜ、乳がんのカテゴリーなのか?というと・・・。
この「血管再生医療」のキッカケが、癌の研究から始まったことだから。
がん患者さんの中で、癌という病気の治療に対して積極的な方はご存知だと思うのですが、実は癌が増殖するためには、数多くの血管が必要なのです。
理由は、「癌」は無制限に増殖し続ける細胞のため、相当の栄養が必要になるから。
細胞の栄養は血液によって運ばれるため、「がん細胞」は自分が成長するために勝手に血管を作り、他の健康な細胞から栄養を奪い取ってしまうのです。
癌による体力低下というのは、がん細胞が大きくなり、より大きくなるために、他の健康な細胞の栄養を奪い取ってしまうために引き起こされる、ということなんですね。

逆に考えると、血管が壊れ細胞が壊死してしまう病気の患者さんには、このがん細胞が持っている血管を作る仕組みが分かれば、治療になるのでは?というところから、「血管再生医療」の研究が始まった、という説明でした。
その結果今では、癌によって出来た血管網を整える抗がん剤(「アバスチン」という名前の抗がん剤)が、広く使われるようになり、細胞が壊死するような病気の患者さんには、血管を再生出来るような手術(=「細胞シート」による移植など)や薬の投与がされるようになってきた、というお話でした。

そして、この血管のお話だけではなくもう一つのテーマが「PS細胞」について。
「PS細胞=万能細胞」とも呼ばれていますが、この「PS細胞」の作り方や問題点、将来の展望などについてのお話。
なぜ、「PS細胞」が、期待される再生医療技術なのか?というと・・・。
ご存知の方も多いと思いますが、「PS細胞」が話題になる前に、話題になった「ES細胞」。
この「ES細胞」は、受精卵を潰すことでしか作ることが出来ない万能細胞。
そのため倫理的に問題で、余り積極的な研究が行われにくい状態だそう。
特に、キリスト教中心の国では「神を冒涜する」と、反対される人が多いようですね。
それが顕著になるのが、米国の大統領選挙。
現在のオバマ大統領は、細胞研究に対して理解があるのですが、前のブッシュさんは基本的には反対でした。
というのも、ブッシュさんの大票田である中西部は「キリスト教原理主義」の人たちが多い地域。
そしてブッシュさん自身も、キリスト教原理主義に対しての理解が深いスタンスでしたからね。
まぁ、個人的にはブッシュさんが「キリスト教原理主義派」だと思いませんが、選挙のためなら何でもするのが、米国の大統領選挙ですから、当然のポーズだったでしょうね。
と言っても、講師をしてくださった先生は、そのような社会的背景を理解されていたのかチョッと疑問でしたが・・・

話が横道に逸れてしまいましたが、それに対して「PS細胞」は「体細胞(=人の全てを対象とした細胞)と4つの遺伝子があれば、作れる万能細胞」なんだそうです。
「体細胞=人の全てを対象とした細胞」というと、体中から細胞を取ってこなくてはダメ!という気がするかも知れませんが、そうではなくて「体のどの部分の細胞を取ってきても作れる」というコト。
それを培養して、問題の部分に移植できれば再生が出来る・・・という、本当に夢のような細胞、という説明でした。
ただし、なかなか臨床まで行かない理由は、
1.作られる細胞が安定してない
2.ガン化しやすい
というコトが上げられていました。

ココで再び「ガン」という病気との関連が出てきます。
人の臓器のほとんどは、実は「自己再生」という能力があり、それを可能とするのが血管。
血管があれば、多くの臓器は自己再生が出来る(だから「血管再生」医療は、重要な医療研究なんです!というのが、講師をされた先生のお話)。
問題は、「自己再生できる臓器は、ガンが発生しやすい」という点。
逆に「自己再生」出来ない臓器(=心臓と脳神経)には、ガンが出来ないといわれています。
「PS細胞」は、自己細胞なのだから問題ないのでは?と、思えるのですが「移植」そのものが、遺伝子を傷つける行為なので、ガンの発生リスクが当然上がってしまうというお話でした。

最初は、癌という病気とは無関係かな?と思ったのですが、「癌=細胞の病気」だと考えると、やはり奥深い病気なんだな~と、勉強になりました。

トコロで・・・この講座は、一般に開放されたモノだったので参加している方もいろいろ。
高齢の方とか、医療関係?という方がほとんどだったのですが、この講座で一番熱心だったのは、小学生の男の子!でした。
一番前の席にすわり、(当然ですが)ひらがな中心で一生懸命にノートを取り、先生への質問も一番積極的でした。
どうやら、お友達に「筋ジストロフィー」の患者さんがいらっしゃるようで、講座終了後も熱心に「筋ジストロフィーと再生医療」について、質問をしていました。
きっと彼のような子どもたちが、将来の研究者になるんでしょうね。
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*Comment

No title 

こんにちは。

のんチャンさんは、本当にいつも勉強熱心ですね。

ips細胞のことは、詳しく知らないし、
いまぐぐっても、読んでも頭に入ってこないくらい最近頭のゆるい私です。

ただ、NHKで、実際に膀胱がんと闘う立花隆さんの、癌とは何かを追うドキュメンタリーの最後の方だけチラリと見たら、
ちょうどこのips細胞研究の第一人者、京大の山中先生の話を取材されていました。
そのとき、イモリの手足が再生するとき必要な再生能力が非常に高いこの細胞は、(のんチャンさんも書いておられますが)ガン化しやすい。
だから、人類は、進化の過程で「再生」をできるだけ最小限に抑えて進化したのだとおっしゃってました。
けれども、生きるためには、最小限は絶対必要な再生細胞、
だとしたら、人が生まれた時から、癌という病気は生に組み込まれた運命でもあるかもしれない、という立花さんの感想で、とても印象に残っています。
なんかちょっと宗教っぽいですけどね。

  • posted by ジルちん 
  • URL 
  • 2012.03/29 18:52分 
  • [Edit]

イエイエ・・・ 

コメントありがとうございます、ジルちんさん。

> のんチャンさんは、本当にいつも勉強熱心ですね。
イエイエ、そんなこと無いです。
興味の赴くまま、気の向くまま無料公開講座を狙って、受講してるだけです(笑)。

> ただ、NHKで、実際に膀胱がんと闘う立花隆さんの、癌とは何かを追うドキュメンタリーの最後の方だけチラリと見たら、
> ちょうどこのips細胞研究の第一人者、京大の山中先生の話を取材されていました。
> そのとき、イモリの手足が再生するとき必要な再生能力が非常に高いこの細胞は、(のんチャンさんも書いておられますが)ガン化しやすい。
> だから、人類は、進化の過程で「再生」をできるだけ最小限に抑えて進化したのだとおっしゃってました。
> けれども、生きるためには、最小限は絶対必要な再生細胞、
> だとしたら、人が生まれた時から、癌という病気は生に組み込まれた運命でもあるかもしれない、という立花さんの感想で、とても印象に残っています。

実は、生物の遺伝子というかDNAは、不完全な状態にあるそうです。
不完全だからこそ、再生できるし進化できる。
細胞そのものは常にミスプリントを繰り返しながら、分裂をしていくのだそうです。
ただ、そこに免疫細胞がミスプリントした細胞をやっつけることで、正常化した状態で進化することができる、というお話を以前癌の公開講座で聞いたことがあります。
ということは、人というか生物の存在そのものがとても絶妙なバランスの上で成り立っている、というコトなんですよね。
自分が、癌という病気になって知ったことです。

> なんかちょっと宗教っぽいですけどね。
たぶん宗教っぽいというよりも、哲学っぽいんだと思います。
というのもダライラマ14世も話しておられますが、仏教そのものの根源的考えが哲学的だから。
○○教とか××宗という分類で信仰しているという問題ではなく、私たち日本人の生活観の中に仏教が根付いていているから、宗教っぽいと感じるのかも知れませんね。
  • posted by のんチャン 
  • URL 
  • 2012.03/29 19:59分 
  • [Edit]

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プロフィール

のんチャン

Author:のんチャン
某水色サッカーチームサポで、元重度鉄欠乏性貧血患者
2010年3月乳がんの手術。現在普通に生活。
乳がん「備忘録」兼サッカーやお料理などを気ままに不定期更新。
本業は、密かに「地域密着系スポーツ・マーケティングプランナー」を目指す、売れないマーケティングプランナー
母屋ブログはこちら↓
http://blog.goo.ne.jp/happy-kernel-0297

乳がんと闘うみなさまへ
「患者力を高める5のポイント」
1.不安や疑問があった時は、再予約をしても聞くようにする
2.大切な面談(検査結果を聞くような時)は、家族や友人と一緒に聞く
  もし、一人で行く場合は、レコーダーなどに録音をする
3.聞きたいコトは、5つ程度のポイントにまとめ、メモにし診察時に見せるようにする
4.自分の希望や考えを伝える
5.医師の目を見て話す
  もし、目を背けるような担当医であれば、「○○先生」と呼びかてでも自分に向かせる
 
以前出席させていただいた「J&J・乳がんメディア&ブロガーセミナー」で、医療ジャーナリストさんがお話されたコトです。
是非、参考にしてください。
そして「がんサバイバー」を目指しましょう。

乳がんについて詳しく知りたい方へ
日本乳癌学会のサイト内に、一般向けサイトがあります。
リンクを貼りましたので、そちらからアクセスをして下さい。
乳がん?と思ったら、必ず専門医に相談をして下さいね。
そのための参考サイトです。

「質の高い乳がん検診」を受けるため、NPO法人日本乳がん検診精度管理機構認定の施設、マンモグラフィ読影医師、そしてマンモグラフィ放射線技師のいるリストを参考にしてください。
「施設・読影医師・放射線技師」の3条件が揃うことが、重要です。
それぞれのリストをリンクしました。ぜひ参考にしてください。


国立がんセンター精神腫瘍学グループでは、患者さん向け「質問促進パンフレット」等を用意しています。
下記リンクよりアクセスをお願いします。
PDFファイルですが、是非、重要な面談の時の質問などにご活用ください。

名古屋のがん拠点病院で「傾聴会」を開催している、NPO法人ミーネット。
乳がんに限らず、がんについて不安なことがあれば気軽にご相談下さい。
また、市民向け公開講座なども開催しています。
下のリンクよりスケジュール等、ご確認下さい。

乳がんと子宮体がん経験者の桃杏さんが、乳がん患者さん向けの傾聴会を東京で始められました。
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