大きな一歩
今日、一部新聞やテレビのニュースなどで取り上げられた「成人T細胞白血病」についてです。
「がん」と言うと、「怖い病気、死にいたる病気」と言うイメージだけで終わってしまう傾向がある。
特に「白血病」と言うと、「治療の手立ての無い血液のがん」と言う、受け止められ方をされているような気がする。
実は、「がん」にはいろいろなタイプがある。
「白血病」などのような「がん」と、他の部位にできる「固形がん(塊を作るがん)」と言う分け方。
その他にも「感染型」と「非感染型」と言う分け方もある。
「感染型」と呼ばれるがんの代表は、「C型肝炎」が進行した「肝臓がん」や、「ヒトパピローマウィルス(HPV)」による「子宮頸がん」がある。
同様に、白血病の中にも「感染型」と呼ばれるタイプがあり、今回大阪大学医学部付属病院が臨床試験を行うことになった「成人T型細胞白血病」は、この「感染型」と呼ばれるタイプ。
昨年愛知県がんセンターの研究所の研究展示で、研究員の方から熱心に教えていただいた一つに、この「成人T細胞白血病」があった。
この「成人T細胞白血病」の中でも、何故か沖縄~九州にかけて罹患者が集中しているタイプがあると言う。
この話を、研究員の方から伺った時に「生活・食習慣、民族的な違いで、がんの発症タイプが違うと言うことがあるのでしょうか?」と質問をしたら、その研究員の方は「日本国内のコトなので分かりませんが、世界的に多い白血病と言うよりも、地域限定的罹患傾向が見られる(カリブ海~南米ペルーのようなモンゴロイド系民族に見られる)ようです」と言うお話をされていた。
そして、この「成人T細胞白血病」の研究が進んでいるのが日本だと言うお話もしてくださったのだった。
今回、新聞やテレビなどのメディアが大きく取り上げている理由も、阪大医学部付属病院が世界に先駆けて臨床試験をする、と言う点だからだろう。
そして、先日エントリした「民族的細胞レベルでの腫瘍研究」と言うのは、このようなお話を伺うことがあったから。
考えてみれば「がん」と言う病気は、「異型化した細胞の暴走」。
細胞の基となっている遺伝子やDNAは、少なからず民族的というか人種的影響を受けている。
肌の色や目の色が違うのと同じ様に、「がん」と言う細胞にも違いがあって当然なのでは?
その視点で考えれば、この「成人T細胞白血病」の臨床試験が日本で行われることは、当然なのでは?と言う思いもある。
いずれにしても、この臨床試験はとても大きな一歩だと思う。
なぜなら、「治療の発展」と言うだけではなく、「日本でなくてはできない臨床試験がある」というコトを、広く教えてくれる臨床試験だからだ。
なるほど(!0!)
よく聞くC型肝炎が何か不明でしたが、
肝臓がんになる可能性を高くするもの
だったんですね(;0;)
他にも、固形がんなどタイプ別に
様々なものが存在することがわかりました。
そして、前回記事に少しありましたが、
民族的細胞レベルでの腫瘍研究がついに
スタートしたのですね(^m^)