乳房再建
ジョブズ氏は、スタンフォード大学の卒業式の祝辞の中で「自分の直感を大切にすることの重要性」を話していたが、どうやら「すい臓がん治療」に関しては、そうではなかったようだ。
「がん告知」をされた患者さんの多くが、最初に考えるのは「手術をせずに、完治したい」ことだと聞いたことがある。
私などは、食事療法などで完治させるというコトすら思い浮かばず、選択肢として手術しか考えられなかった。
単純な発想しかなかったんだ・・・私

結局、精密検査開始からお正月休みを挟んで3ヶ月ほどで手術をしたわけですが、今は「ベストチョイス」だったと思っている。
さて、本日の本題である「乳房再建」について。
朝日新聞に連載されている「患者を生きる」に、現在「乳房再建」について書かれている。
私も告知を受けたとき、検査を担当した先生からは「扇状に石灰化が広がっているので、手術を担当する先生によっては全摘を検討される場合もあります」といわれ、ショックを受けた。
結局、「何としても全摘はしたくないです。どうしても全摘をしなくてはいけない状況なのでしょうか?先生(が私の立場)だったらどうされますか?」と、食い下がり(?)結局「温存手術の技術が高い先生にお願いしましょう」といわれ、現在のスパルタな主治医にお願いすることになった。
手術前の説明でも、「(温存は)ギリギリだね」的発言が、主治医からあり不安

それくらい、女性が乳房を失うということは肉体的にも精神的にも、及ぼす影響が大きいというコトだと思う。
「全摘」というと、相当進行した状態だと思われがちだが、進行状態というよりも乳がんの広がり方で、温存なのか全摘が決まる。
私と同じ「0期・非浸潤がん」の状態であっても、石灰化の状態によっては全摘になってしまう場合もある。
そして、全摘された患者さんが直面する問題が「乳房を失った」という喪失感や女性としてのアイデンティティという心の損傷。
肉体的にも大きな傷が残るため、お風呂などで自分の胸を見るたびにショックを受ける方も多いと聞く。
当然、スーパー銭湯や温泉などにも行かなくる方も多いし、旅行そのものにも行かなくなる方もいると聞く(私の場合、術後3ヶ月で旅行の計画を立て、5ヵ月後には日帰りですが友人と旅行に行ってしまった・爆)。
そのような内容の記事に「穿通枝皮弁法」という、乳房再建があった。
一般的には、お腹や背中の脂肪+筋肉の一部を移植する「筋皮弁法」(保険適用)か、シリコンなどの人工物を入れる方法(自費)が一般的。
先月の「アピタル乳がん夜間学校・乳房再建」での講義も、担当された先生が人工物による乳房再建が専門の先生だったので、その内容ばかりだった。
この「穿通枝皮弁法」は元々は、乳がんではなく胃がんなどの患者さんのために開発(?)された、日本発の手術法らしいのだが、それが欧米で乳がん患者さんたちへの再建法として確立し、逆輸入されたカタチとなったようだ。
日本って、いろいろな面で高い技術があるのに、それを使い切れていないというのは、本当にもったいない。
なぜなら、この「穿通枝皮弁法」という再建法ができる整形外科の先生が、とても少ないらしいからだ。
1年待ち、2年待ちという患者さんも多いという。
この「穿通枝皮弁法」の大きな特徴は、「自分のお腹などの脂肪と血管を移植する」というコト。
これまでの自分の乳房に一番近い感触での再建が可能となるらしい。
そのようなことを知ると、本当に日本の技術がもったいない!!!と、思う。
この技術がもっと一般的になれば、「乳がん=おっぱいが無くなる」という不安が減るのでは?
患者自身も、いろいろな情報を集め主治医の先生に積極的に質問をし、自分の希望を言う必要があると思う。
私の場合は、すでにそんな感じなんですけどね

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